sweet pool再プレイ日記1日目~善弥ルート雑感「サッドマシーン」

 

 ドクステが中止になり、新型コロナウイルスの感染状況もかなりやばく、あともう世間が全体的にやばい。ので家でゲームをするしかない。というわけで10年ぶりにsweet poolを再プレイしております。

 今日のブログタイトルはART-SCHOOLの「サッドマシーン」より。(オニツカセージさんが咎狗同人のタイトルに引用もしていますね)

 この10年、5月を迎えるたびに再プレイしようと思いつつ手を付けられなかったのは、人生で一番好きなゲームをもう好きじゃなくなっていたらどうしようという己の不安からでした。10代当時の私にはキラルが大好きな友人がいて、発売前からsweet poolの話を聞いており、友人は発売後すぐにsweet poolをプレイしてそれからずっとsweet poolの話をしていて、それを聞きながら私はsweet poolは素晴らしいゲームに違いない……と確信しておりました。年齢の関係で私が実際にプレイしたのは発売後数年経ってからでしたが。

 ともかく、私の人生はsweet pool以前と以降に分けても過言ではないほどに重要な位置にある作品だったので、果たして今の私がsweet poolに対峙するに値する人間なのか……という自問の末に10年手つかずだったわけです。いまこのタイミングで再プレイしているのは宇野さんのバーイベが控えているからという理由もありますね……。

 2022年に善弥と対峙してくれて、おそらく2022年に誰よりも善弥のことを考えてくれた人のイベントに丸腰では向かえないなという理由です。

 で、DMMで購入済のリマスター版をDLしてあのよくわかんない解凍ファイルとも向き合って、タイトル画面の音楽を聴いただけで、もう、あっ、好き。となりました。そうだった、私は発売前から10年以上sweet poolが好きだったし、好きでいたし、好きなんですよね、今もずっと。

 とりあえず、というわけで善弥ルートをクリアしました。

 再プレイして思ったんですけど、話がめちゃくちゃ暗い。明るい話だとは思っていなかったけれど、グランドED以外は終わりに向かうまでがめちゃくちゃ暗い。グランドEDはまだちょっと爽やかさがあるんですけど、それ以外は基本めちゃくちゃ暗いですね……。10代の私は多分今よりもっと暗い人間で、救いがなかったり悲惨だったりする物語でしか救われなかったんだと思います。暗い人間が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『SE7EN』でしか救われない日があるのと同じで、私は『sweet pool』でしか救ってもらえなかったんだなと思いました。

 当時は同年代だったのにいまはもうキャラクターたちと年が離れてしまったので、登場キャラクターたちの家庭環境だったり学校の環境の悪さだったり貧困、福祉、カルト二世……といった点にも目が向きますね。蓉司は留年しているし……哲雄も年齢を偽ってバイトしているし……善弥は飲酒して登校するし……駒波学園、基本放任主義。周辺の地域から苦情が来ていないか心配ですね。あと今は2年生だからいいけど3年になったら受験ムードでピリピリ……あっ……もう3年には蓉司が……いないんだった……。泣

 善弥ルートを再プレイして思ったんですけど、あのお人形エンド、まだ蓉司が生きてはいるし、ハッピーエンドという捉え方もできますよね……。(キラル脳)あと、善弥、めっちゃ頑張ってるほうだと思う。カルト二世という悲惨な家庭環境で、とりあえずなんとか学校に行ったり行かなかったりして、えらいよ!!! 十分頑張っているよ!!!

 善弥は姫谷という理解者がいるのでまだマシなほうだとは思うのですが、箱庭じゃなくて外部(福祉だったり自助グループだったり)に助けを求めることができて、適切なケアを受けられていたら――と思うと善弥ちゃんってやっぱりかわいそうでかわいいですね。カルト二世かつ虐待サバイバーですよあの子……。

 ……こいつ、BLゲームに倫理を求めている?

 徹底的に外部を遮断して箱庭を構築し救いがない中で繊細に積み重ねられていく苦しさがsweet poolの作劇の巧さだなあと思いました。

 そして私は善弥の孤独な魂に2022年、宇野結也さんという理解者が現れて、少しは善弥も救われたのではないかと勝手に思っているおたくなのでした。つづく。